実は世界の子ども支援にもなる「ベルマーク運動」
「ベルマーク運動」を通じて、国際協力もできるってご存知ですか?
小学生の頃、ノートや飲料水など、いろいろな商品に付いている「ベルマーク」を集めたことがある方も多いはず。ですが、集めた「ベルマーク」が何の役に立つのか、ご存知でしたか?ベルマークを集める仕組みのことを「ベルマーク運動」と呼びます。
すべての子どもに等しく、豊かな環境のなかで教育を受けさせたい
ベルマーク運動は元々「すべての子どもに等しく、豊かな環境のなかで教育を受けさせたい」という願いで1960年に始まりました。学校や公民館などの施設や団体単位で参加し、さまざまな商品パッケージに印刷されたベルマークを集め、ベルマーク財団へ送ると、1点が1円に換算され「ベルマーク預金」になります。
その「ベルマーク預金」を使って、自分たちの学校に必要な設備や教材、例えば楽器やスポーツ器具、実験機材などを協力会社から購入することができます。同時に、購入金額の10%がベルマーク財団へ寄付され、特別支援学校や被災学校の支援や海外の日本人学校の援助に役立てられる仕組みになっています。
ベルマーク運動は、集める学校(=生徒・PTA)たちも嬉しいし、助けを必要としている人たち(被災地の学校や海外の日本人学校など)も嬉しいシステムなんですね。
ちなみにベルマーク運動は、個人での参加も可能です。個人で集めたベルマークをお店に設置された収集箱に入れたり、学校へ寄贈したりして協力することもできます。
ベルマーク集めのポイント
さまざまな製品・商品についているベルマークですが、切り方にはコツがあります。
- ふちギリギリをきらない
- 少し余白を残して切る
- マークがつながっているものは、つながったまま切る
- ビンのラベルについているマークはカッターで
毎日の買い物で商品の賞味期限調べのついでに、ベルマークがついているかチェックすることから始められますし、お母さんも、買い物や学校を通じてできる小さな国際協力ですね。※ベルマークについて詳しくはベルマーク教育助成財団(以下、ベルマーク財団)のウェブサイトをご確認ください。
ちなみに、ベルマークの鐘には「国内外のお友達に"愛の鐘"を鳴り響かせよう」という助け合いの意味がこめられているそうです。
ベルマーク運動で国際協力「絵本を届ける運動」への参加費が免除に
学校の設備を購入したり、被災地の学校などを支援できるベルマーク運動ですが、集めたベルマークの点数=ベルマーク預金を使って、国際協力に参加することもできます。
ベルマーク運動参加校はベルマーク財団を通じて、シャンティ国際ボランティア会が行っているアジアの子どもたちに「絵本を届ける運動」に無料で参加することができます。通常「絵本とシール」の1セットは、絵本代やシール代、アジアの国々へ届けるための送料などを含まれた参加費2,500円がかかりますが、ベルマーク運動参加校の場合、参加費用をベルマーク財団が全額補助してくれます。(※ただし本の返送代は学校負担)
例年、春(4月頃)から応募が可能になります。詳しい時期や申込方法は、ベールマーク財団のウェブサイトをご覧ください。
よくベルマーク運動は「PTAの負担が増える」とか「システムが今の世の中に合っていない」など、集め方や集計方法について批判的な意見を耳にすることもあります。ですが、集めたベルマークによって、学校の子どもたちに貴重な体験を提供できたり、海外の子どもたちに教育の機会を届ける一助につながっています。
収集ボランティアというスタイルは、効率がよい支援とは言えないかもしれません。ですが、参加しやすくなる仕組みを考え、試している人たちもいます。
もっとITを活用すれば「ベルマークを集めて集計する」というアナログなシステムとは違った方法も実現できるかもしれません。
「すべての子どもたちに、豊かな環境のなかで教育を受けさせたい」という想いで始まった「ベルマーク運動」。小さな一歩かもしれませんが、みんなの一歩が集まることで、大きな力となり、誰かの生きる力につながるはずです。ぜひ、できることからはじめてみてください。