自然環境や人にやさしい無印良品のオーガニックコットン製品6種

オーガニックコットン・綿花

無印良品と言えば、インテリア雑貨からキッチン用品、お菓子やレトルトカレーなど、シンプルかつ機能的な製品がたくさんありますよね。我が家でも、シリコーン調理スプーンやハードキャリーケース、肩の負担を軽くするリュックサックをはじめ、多数のポリプロピレン収納を活用しています。

そんな無印良品ですが、衣料品のほぼすべての商品で「オーガニックコットン」を使用しています。

衣料品のほぼすべての商品は2018年から、生活雑貨のファブリックは2019年秋冬商品からオーガニックコットンを100%使用しています。

オーガニックコットンの活用 | 100の良いこと | 「感じ良いくらし」の実現 | 株式会社 良品計画

無印良品の衣料品はシンプルで飽きの来ないデザインが魅力ですが、その素材であるオーガニックコットンにもぜひご注目ください。

オーガニックコットンとは

オーガニックコットンとは、農薬や化学肥料を3年以上使用していない土地で、自然の仕組みに沿って育てられた綿のことです。

実は、コットンの原料となる綿花は害虫が付きやすい作物なんです。害虫すべてを手作業で駆除することは簡単なことではありません。一般的なコットン生産地では、害虫駆除のために農薬を使用し、農薬で痩せた土地で収穫量を増やすために化学肥料が使われています。

もともと綿の収穫は、葉や茎が自然に枯れるのを待って摘まれていました。しかし現在では、早く効率的に収穫するため、大量の薬品を散布して葉を落とす、ということが普通に行われています。さらには、害虫から綿花を守るためにも、また農薬で痩せてしまった土地でより収穫量を増やすためにも、多くの農薬や化学肥料が使われていきます。

オーガニックコットンについて | くらしの良品研究所 | 無印良品

一方、オーガニックコットンは農薬や化学肥料を使わず、自然の仕組みを活かして生産するため、効率よく大量に作ることはできませんが、環境や人にやさしい生産方法と言えます。

オーガニックコットンと普通のコットンの違い

「オーガニックコットン」は、品質がよい、肌触りがよい、高級、健康的、などと思われがちですが、実は「肌にいいかどうか」はオーガニックコットンでも普通のコットンでも違いはありません。オーガニックコットンと普通のコットンの違いは「品質」ではなく「栽培方法」の違いなんです。

普通のコットンと大きく違う点は、化学物質や農薬などを使わないという科学的な根拠から「栽培時に環境に配慮されている」ということです。また、オーガニックコットンを名乗るには、以下のような基準をクリアしているかどうか認定を受ける必要があります。

  • 化学薬品の使用による健康負荷・環境負荷を最小限に抑えていること
  • 労働者の健康や安全に配慮されていること
  • 児童労働を禁止していること etc

無印良品は、大地を健康に、そこで働く人に安心を届け、環境や人にやさしいものづくりをするため、1999年からオーガニックコットンに切り替えはじめ、2018年には衣料品のほぼすべてでオーガニックコットンを使用するほどまでになりました。

オーガニックコットンを選ぶべき理由

無印良品がオーガニックコットンに切り替え、そしておすすめする理由は、「自然環境」と「栽培に携わる生産者」にとってやさしいからです。

通常のコットン栽培では、害虫駆除のためたくさんの農薬と化学肥料が使われます。農薬や化学肥料の使用は、土壌や水質など環境への負担が大きく、生産地で働く労働者の健康面にも影響を及ぼしています。また、コットン生産地の多くが開発途上国で、コットン畑での受粉・収穫作業は長時間に及び、かつ低賃金なことが多く、おとなよりも安い労働力として子どもたちが学校にも通えず、児童労働をさせられているケースが多数報告されています。

世界生産量の約80%がインドや中国、ウズベキスタンなどの発展途上国の人々によって生産されています。中でもインドは世界最大のコットン耕地面積を持ち、コットン生産量世界第2位(約20%)を誇ります。そして同時に、インドのコットンやその種子の生産地で、多くの子どもたちが劣悪な労働条件で働かされています。

インド・コットン生産地の児童労働 | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

オーガニックコットンは、農薬や化学肥料を使わないだけでなく、労働者の安全や健康を守り、子どもたちを児童労働から守る力を持っています。製品を選ぶ私たちが、オーガニックコットンを積極的に選ぶことで、地球環境はもちろん、コットンに関わる人々を守ることにもつながるのです。

無印良品のオーガニックコットン製品6種

無印良品は、可能なかぎりオーガニックコットンの使用をすすめ、環境と生産者に配慮したものづくりをしています。商品開発者が実際に綿花農場に足を運び、農家との関係を深めながら、少しずつ綿の生産量を増やしているそうです。

使う人・作る人・地球と向き合い、地球や動植物、生産者に負荷をなるべくかけない方法で採取、栽培されたものを選択する。そんな無印良品の主なオーガニックコットン製品をご紹介します。

1.肌着

綿はもともと、吸湿性が高く通気性にすぐれている自然素材です。直接肌に触れる肌着に適しており、さらに糸の撚り方を工夫され、通常の綿よりもさらに吸水性や速乾性にすぐれています。

2.シャツ

シャツもメンズ・レディース問わず、種類が豊富です。落ち着いた色合いのものが多いですよね。

3.子ども服

パジャマやシャツなど、子ども服の種類もたくさんありますね。子ども用の甚平もあって、カワイイですね。

4.スニーカー

デザインがシンプルで、撥水性もある人気の無印良品のスニーカーにもオーガニックコットンが使われています。

5.タオル

オーガニックコットンのタオルは、サイズ・カラーともに多数ラインナップされています。

6.寝具(シーツ・枕カバー)

シーツや枕カバーなどの寝具にもオーガニックコットンが使われています。

オーガニックコットンを選ぶことはSDGs達成への一歩

日本で暮らしていると「誰が、どこで、どうやって、どのように作った製品か」について、深く考える機会は多くないと思います。しかし、私たちは毎日に何かのために大切なお金を使い、商品や製品を選ぶ消費者です。商品や製品を製造・販売する企業にとって、消費者は無視することができない存在であり、常に消費者のニーズに対しアンテナを貼っています。

消費者である私たちが環境や人にやさしいオーガニックコットンで作られた製品を選ぶことで、企業の生産のあり方を動かせる可能性があります。近年、地球環境や人、社会、地域に配慮した考え方のことを「エシカル」と呼びます。エシカルな考え方に基づき、オーガニックコットンのような製品を選ぶことは、SDGs(持続可能な開発目標)の「目標12:つくる責任 つかう責任」に関わるアクションの一つと言えるでしょう。

無印良品のシンプルでおしゃれな製品が大好きだ!という方はぜひ、製品の原材料にも注目して、お気に入りアイテムを選んでいただけると幸いです。