児童労働で作られたサッカーボールを配布?クレディ・スイスのゴールに糾弾

Googleアラートで「児童労働」のキーワードを設定していたら、こんなニュースを発見しました。

※Googleアラートは、メジャーすぎるキーワードだとニュース量が膨大になるため、自社名や自分の仕事に関連するそれほど日常的に使われないが、自分にとっては大事なキーワードを設定しておくと便利です。

スイス第2の大手銀行、クレディ・スイスがスイスの子どもたちに無料で配ったサッカーボールは、国際的に労働を認められていないパキスタンの児童が作っていたことが報道された。

クレディ・スイスのゴールに糾弾 – SWI swissinfo.ch

サッカーボール産業の児童労働

以前はインドとパキスタン国境付近でサッカーボールの縫製作業に多くの子どもが従事していました。

現在は機械縫いが多くなっているサッカーボールですが、手縫いのサッカーボール生産の世界1位と2位は、パキスタンとインドでした。両国は、イギリスの植民地時代にボール縫製の技術が移転されて以来、サッカーボールやバレーボール、ラグビー、クリケットなどの各種スポーツ用品の生産が行われてきました。

サッカーボール製造は、企業から製造依頼を受けた業者が縫製工場や各家庭の労働者に縫製を行わせることが多いそうです。 例えば、インドではサッカーボールを1個を縫って得られる賃金は5~10ルピー(当時約15~30円)でした。おとなでも1日に2~3個を縫うのがやっとで、法律で定められている1日の最低賃金63ルピー(約189円)を下回る賃金しか得られません。

そんなサッカーボール縫いに子どもたちが関わっていると、1990年代後半に欧米のメディアが報じたのを機に、スポーツ産業は大きな打撃を受けました。子どもたちに夢を与えるスポーツ業界が、子どもたちの夢を奪うようなことをしてはならないと、国際機関やNGO、FIFAなどのサッカー業界が児童労働防止に取り組んできました。

業界と国際機関、そしてNGOや市民らが協力して児童労働を撤廃したサッカーボール業界で、同じことが繰り返されてはならないはずです。自社が製造・販売する製品だけでなく、自社のノベルティやプレゼント用に発注したものであったとしても、企業の責任が問われる問題です。