難民映画祭で上映されたAmazonで買える映画|2008年

映画のイメージ画像
カメラ兄さんさんによる写真ACからの写真)

今、世界では7080万人(*UNHCR2018年発表)を越える人々が紛争や迫害により、住みなれた故郷を追われています。強制的に住む場所を追われた人々は、この20年間でほぼ2倍に増えています。

こうした難民の現状を映画で伝えるため、2008年から毎年秋頃に「UNHCR難民映画祭」が開催されてきました。2019年から「UNHCR WILL2LIVE映画祭2019」と名称が変わりましたが、「難民」を中心に、戦争や紛争、差別や迫害などをテーマにした映像作品を紹介する映画祭は他にありません。

そんな「難民映画祭」で上映された映像作品の中で、私たちも観ることができる映画作品をご紹介します。多くはAmazonでDVDとして販売され、中には、上映会の開催を企画できるよう配給されている作品もあります。この記事では「第3回 難民映画祭(2008年)」の公式サイト上に掲載されている上映作品の中から、2019年現在AmazonでDVDが販売されている3作品をご紹介します。

ウォー・ダンス 響け僕らの鼓動

2008年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品で、名前やジャケット写真をどこかで見たことがあるかもしれません。紛争ですべてを失った子どもたちが、音楽と踊りを通じて希望を見出す姿を追ったドキュメンタリーです。

ウガンダ北部の子供たちが、ダンス大会に挑む様子を追った感動のドキュメンタリー作品。2003年以降、ウガンダ北部では反政府武装組織の活動が激化し、村落への襲撃や虐待が相次いでいる。住民たちは避難民キャンプへの移動を余儀なくされ、その渦中で児童の拉致が相次ぎ、苛烈な体験を重ねた子供たちが今も多く暮らしている。このドキュメンタリーでは、3人の子供たちにインタビューをしながら、彼らの凄惨な過去を描く。その一方で、彼らの通う学校が年に1度開催される国主催のダンスコンクールに出場して優勝を目指す様子を追う。本編ではその練習風景から、大会前後の様子までを記録している。2008年第80回米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート。2007年サンダンス映画祭監督賞受賞。(引用:難民映画祭サイト より)

亀も空を飛ぶ

イラン・イラク戦争や湾岸戦争で荒廃したイラク北部方の小さな村で暮らす、親を失ったクルド人孤児や難民の子どもたちが主人公の作品。

舞台はアメリカ軍のイラク攻撃が始まろうとしている頃のイラクのクルド地方。戦争に関する情報を得ようとする村人たちのために衛星放送の設置を請け負う少年、悲しい過去を持つ難民の兄妹らの姿を描いている。リアリズムと幻想を混在させた力強いタッチで描いた、イランのクルド人監督バフマン・ゴバディの傑作。2005年 ベルリン国際映画祭平和映画賞。(引用:難民映画祭サイトより)

ビルマ、パゴダの影で

軍政から民政へと移管し、経済成長も目覚ましく「アジア最後のフロンティア」と呼ばれる現在のミャンマー(ビルマ)。一方で、少数民族や宗教的少数派が抑圧されている現実があります。

スイスの観光用PR番組の撮影と偽りビルマ(ミャンマー)に潜入した撮影クルーはジャングルの奥深く国境地帯へ少数民族の証言を求めて旅をする。たどりついた先では迫害に怯え、日々生き延びることさえままならぬ国内避難民の少数民族、20年以上も故郷に戻ることが許されない難民、そして民主化の希望を胸に戦う兵士達がいた。本作は、今なお迫害され続ける人々の叫びを伝える貴重なドキュメンタリー である。(引用:難民映画祭サイトより)

パレスチナ1948・NAKBA(ナクバ)

フォト・ジャーナリストの広河隆一さん初監督ドキュメンタリー映画。

1948年5月14日、イスラエルが誕生し、パレスチナ難民が発生した。この事件をパレスチナ人はNAKBA(大惨事)と呼ぶ。この年、400以上もの村々が消滅、廃墟となった。故郷を追われた人々のほとんどは、難民キャンプでの生活を強いられている。今から60年前、1948年に一体何が起こったのか。フォトジャーナリスト広河隆一による、廃墟と化し地図から消えていった村々への徹底した取材、40年間に渡り撮り集めた写真と映像を通し隠され続けた歴史がいま姿を現す。(引用:難民映画祭サイト より)

「難民」や「紛争」「迫害」。自分たちとは無関係のようなものに感じてしまうかもしれません。しかし、難民映画祭で上映される映像作品に登場する人々は、学校に行ったり、仕事をしたり、家族や友達と過ごしたり、私たちと同じ“日常”を過ごしていました。もしそんな日常が突然奪われてしまったら・・・。

これらの映像を見る機会は多くないかもしれませんが、Amazonで購入できる作品もあります。機会があればぜひ、見てみてはいかがでしょうか。