「サムスン・中国工場での児童労働」ニュースまとめ
2012年9月、アップルとの特許侵害裁判の行方に関する報道に隠れてますが、サムスンの中国工場(サプライヤー)で児童労働があると告発されたニュースも報じられています。一連のニュースを時系列でまとめてみました。発端は、ニューヨークに拠点を置く団体China Labor Watch(CLW)が8月、中国のあるサプライヤーがサムスン製品を製造する工場で未成年の労働者を雇用していると非難したことから。
- 1. 2012/09/04-Samsung、中国の全サプライチェーンの労働環境調査を開始へ
- 2. 2012/09/04-サムスン、中国サプライヤーの労働環境調査の結果を発表–さらに250社を調査へ
- 3. 2012/09/04-サムスン、中国のサプライヤーによる児童労働違反を否定
- 4. 2012/09/04-サムスン電子、中国のサプライヤーの労働条件を調査へ
- 5. 2012/09/06-サムスン、中国工場で労働法違反か 敗訴に追い打ち
- 6. 2012/09/06-サムスン中国工場を指弾 CLW「法定年齢下回る者に超勤」
- 7. 2012/09/07-サムスン中国工場の労働問題を告発 不当残業や賃金未払い、児童就労も
- 8. 2012/09/12-サムスンは体罰奴隷労働をヤメさせよ…と権利団体が再告発
2012/09/04-Samsung、中国の全サプライチェーンの労働環境調査を開始へ
中国下請工場による不法な児童労働を米NGOに指摘されたSamsungが、工場を独自に調査し、児童労働はなかったものの改善すべき問題があったと発表。これを機に中国の全サプライチェーンの調査に乗り出す。(出所:ITmediaニュース)
2012/09/04-サムスン、中国サプライヤーの労働環境調査の結果を発表–さらに250社を調査へ
「児童労働を一切認めないサムスンのポリシーにHEGが違反した場合、契約は即座に解消される」(中略)サプライヤーがサムスンのポリシーに違反し、是正処置が講じられなかった場合、あらゆるサプライヤーとの「契約を打ち切る」と述べた。(CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集)
2012/09/04-サムスン、中国のサプライヤーによる児童労働違反を否定
韓国Samsung Electronicsは9月3日、同社の中国のサプライヤーの1社が工場で児童を働かせている事実はなかったが、同工場で危険な労働慣行や管理不備の事例が見つかったことを明らかにした。同社は、中国のサプライヤー105社に対する立ち入り調査を行うとしている。(Michael Kan/IDG News Service北京支局)出所:Computerworld
2012/09/04-サムスン電子、中国のサプライヤーの労働条件を調査へ
さらに、ニューヨークにある中国の労働監督当局が先月、同社の中国恵州にあるサプライヤー、HEGエレクトロニクスで、16歳以下の児童を雇用していると指摘した問題について、HEGの労働条件を調査した結果、児童労働は確認されなかったと明らかにした。(出所:ロイター)
2012/09/06-サムスン、中国工場で労働法違反か 敗訴に追い打ち
先月CLWはサムスンの組み立て工場の1つである中国南部・恵州市にある海格国利電子(恵州)(HEGエレクトロニクス)の工場で違法労働行為があったと告発していた。16歳未満の児童労働が「常態化」していたとしている。サムスンは3日、調査員を派遣したが、恵州の工場で法定年齢以下の児童労働の証拠は見つからなかったと発表。一方で「不十分な管理態勢と潜在的に危険な労働慣行」があったことは認めた。(
日本経済新聞/2012年9月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
2012/09/06-サムスン中国工場を指弾 CLW「法定年齢下回る者に超勤」
サムスンはスマートフォン(高機能携帯電話)とテレビで世界最大のメーカー。リポートは「サムスンによる中国工場の労働者の扱いはお手本からは程遠い。違法と非人道的な違反を列挙すれば長いリストになる」と説明した。米アップルのサプライヤーである台湾系の富士康科技集団(フォックスコン)の中国工場で2010年に自殺者が相次いだことから、人権団体は中国の電子製品工場での労働条件に対する監視を強化している。(出所:SankeiBiz/ブルームバーグ)
2012/09/07-サムスン中国工場の労働問題を告発 不当残業や賃金未払い、児童就労も
このニュースは英フィナンシャル・タイムズや米ビジネスウィークをはじめ、欧米メディアが伝えている。サムスンにとってダーティーなイメージがつきまとうことになれば一大事だ。 中国での就労実態が非難されたのは、サムスンが初めてではない。米アップルが「アイフォーン(iPhone)」や「iPad」の生産を委託するフォックスコン社の広東省深センにある工場で2010年以降、工員の自殺が相次いだ。米CNNは2012年2月、フォックスコンの潜入取材を敢行。従業員から厳しい労働環境の実態を聞きだした。これに対してアップルは、世界中のサプライヤーに対して、従業員の労働条件に配慮するよう求めていると釈明したという。(J-CASTニュース)
※同ニュースは、Yahoo!ニュースでも掲載。
2012/09/12-サムスンは体罰奴隷労働をヤメさせよ…と権利団体が再告発
新たに公表された告発レポートでは、サムスン系列の工場およびサムスンと契約を結んでいるサプライヤーの工場などにおいて、依然として15歳以下の子どもたちも働かされていることが明らかにされているほか、無賃労働、1日12時間体制での立ちっぱなしの作業環境、性差別、毎月150時間の残業、言葉による虐待や体罰暴力などなど、もうまるで奴隷のように中国人男女が働かされている様子が生々しく暴露されていますね!(出所:GIZMODO)
※同ニュースは、Yahoo!ニュース、Livedoorニュースでも掲載。
※記事の元となったと思われるサイト
>> China Labor Watch reports worker abuse, underage employment at Samsung factories
サムスンだけでなくIT・ハイテク産業全体の問題
2010年にもマイクロソフト、アップルと相次いでサプライヤー(商品の供給者、商品製造業者)の労働問題が指摘されました。(※詳細は過去のブログ記事を参照)
「私はこの企業の製品持ってない(買わない)からいいや」ではなく、私たちが日常的に使っている携帯電話やIT機器メーカーでも、同様の指摘を受ける可能性はゼロではありません。このニュースを受け、企業としての対応と、消費者としての選択のあり方を考えることが求められていると思います。