国際フェアトレード認証ラベルつき「キットカット」が海外で販売開始

「きっと勝つ」という語呂合わせで、受験生の"お守り"として人気の「キットカット(kitkat)」。そのキットカットの販売元であるNestle UKが、イギリスとアイルランド限定で国際フェアトレード認証ラベルが表示された「キットカット」の販売を開始したそうです。

Nestlé UK - Fairtrade

日本ではいつの間にやら受験生のお守りとなったKit Katの、英国での販売数は、BBCによれば年間約10億個。イギリス人一人あたり毎年16個も食べていることになるので、フェアトレード・ラベルの影響力は大きいですね。Fairtrade Foundationの試算ではコーボジボワールのカカオ農民6000人以上がフェアトレードプレミアムの恩恵を受けられるようになります。砂糖も、中央アメリカの英連邦国家であるベリーズ産のフェアトレード認証砂糖が使用されます。

引用:海外フェアトレード・ニュース : Kit Kat フェアトレードラベル取得

キットカットに国際フェアトレード認証ラベルが表示される意味

チョコレートの原料である「カカオ」は、赤道付近の熱帯地域で獲れる農作物です。カカオは、チョコレートの世界的な需要や投機によって価格大きく上下する先物取引市場で取引され、生産者の生活を大きく揺れ動かしていることが問題となっています。

そんな生産者や労働者たち暮らしを守るため、適正な価格で取引した商品であるとわかるよう表示するのが「国際フェアトレード認証ラベル」です。

ですが、コンビニやスーパーなど、普段買い物をするお店では、あまり見かけませんよね。

フェアトレードって何?

フェアトレードとは、不当な搾取をうけることを防ぎ、生産者の労働や自然環境を守るための持続可能な発展と貧困解消のために正当な対価で取引をする、公正な貿易のことです。

農産物を主な輸出品としている途上国は、相場の変動による過大なリスクを負い、さらに先進国の都合によって、不当に安い価格に抑えられたりしています。「自由貿易」と呼ばれる現在の貿易システムは、自由にモノが売り買いできる反面、先進国にとって有利になるように、価格が決められています。特に、バナナやコーヒー、カカオなどの一次産品は、先物取引によって国際価格が決められています。国際価格の上下によって利益を得る人がいる一方、悪影響を受けるのはいつも生産者の人たちです。

途上国の生産者は自らの販路や市場の情報を持っていないことも多々あります。生産コストを大幅に下回っていても、相場を知らないと中間業者の言い値で売るしかありません。結果として、働いても働いても貧困から抜け出せず、子どもが働き手とみなされ、学校へ行くことができなくなります。学校で学ぶべきことが学べず、その時間を過酷な労働に割くことによって、将来得ることができた教養を実につけられず、身体を壊してしまい、その分を今度は自分の子どもに課してしまう悪循環に陥ってしまいます。

自由貿易は名ばかりで、「アンフェア」な貿易ではないか!っという声を受け、通常の国際市場価格よりも高めの価格で継続的な取引をし、生産者の自立を助ける運動としてヨーロッパからフェアトレードという取り組みが始まりました。

募金とは違う、新しいスタイルの国際協力

最近は、スターバックスやドトールなどでフェアトレードコーヒーを見かけるようになり、衣料品メーカーやファッションブランドなどでも「フェアトレード」を謳う商品を見かけるようになりました。

フェアトレード キットカット

フェアトレードは、募金や寄付とは違う「買い物を通じて国際協力」です。少しでも多くの人が「フェアトレードの商品が欲しい」と思い、購入することで、生産者たちの暮らしを支えることにつながります。

日本でフェアトレードのキットカットが販売される日が来るのはいつになるのか、楽しみですね。

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