NIE-新聞記事を使った授業の実践に

学校の授業で新聞記事を使った学習のことを『NIE(エヌ・アイ・イー)』と呼ばれています。

NIE(エヌ・アイ・イー)とは

Newspaper in Education(教育に新聞を)の略称。

NIE(Newspaper in Education=「エヌ・アイ・イー」と読みます)は、学校などで新聞を教材として活用することです。1930年代にアメリカで始まり、日本では85年、静岡で開かれた新聞大会で提唱されました。その後、教育界と新聞界が協力し、社会性豊かな青少年の育成や活字文化と民主主義社会の発展などを目的に掲げて、全国で展開しています。

NIE-教育に新聞を

1930年代にアメリカで誕生した活動で、学校では児童・生徒が、家庭では親と子が、新聞を教材・学習材にして学ぶことをいう。世界でNIEを組織的に実践している国は少なくとも41ヶ国にのぼり、NIEを法令や教育課程の基準に位置づけている国は21ヶ国を数える。日本では1989年から組織的に取り組みが始まり、新聞を授業に活用することで、児童・生徒らの学習意欲が高まり。積極的な学習態度が身につくとしてNIEが注目されているそうです。

2011年はNIE(新聞活用学習)元年

新聞活用を盛り込んだ新しい学習指導要領が、2011年4月から小学校で実施されました。日本新聞教育財団の調査によると、新聞を毎日または時々読む小学生は、NIE実施前の71%が実施後は80%になったそうです。NIEは、社会への関心を高める効果があるようです。すでにNIEを授業に取り入れている小学校もあるようで、新聞の投書欄の記事を使った取り組みもあります。生徒たちは、新聞の投書欄の切り抜きをひとつ選んで要約し、なぜ関心を持ったのかなどを3~4人で意見交換するという授業です。

大学の講義でも同じような取り組みを行われているようです。学生が興味を持った記事を切り抜き、ノートの左側にはり、右側に要約とコメントを書く。分かりやすく解説するには、記事をよく理解する必要があります。意見を言うには一歩踏み込んで考えなければならず、プレゼンテーション能力のトレーニングにもなるというワケです。各紙の読み比べから、情報源によって記述が異なったり、正しい情報を得るためには何が必要なのかを考えるきっかけになったりします。賛否が分かれる事柄については、記事や社説を比較しながらのディベートしたり、情報を統合して意見を述べる力を養うのに役立つといいます。(参考:2011年1月1日 読売新聞 朝刊)

新聞を使った学習の意義

2006年、グラミン銀行のムハマド・ユヌス氏がノーベル平和賞を受賞したことを受け、新聞をはじめ各種メディアで国際協力に関するニュースを取り上げる機会が増えているように感じます。また、2015年の安全保障法案を巡った報道について、一面記事の取り上げ方や見出しを比較してみると、各新聞社のスタンスが見えてきます。新聞を使った授業は私が子どもの頃から行われていましたが、インターネットを通じて授業例が公開されることで、ますます浸透していくとよいですね。

追記・修正:2015年9月4日

リンク切れと文章全体を修正。NIEサイトの新しいスクリーンショットを掲載。

追記・修正:2011年1月1日

2011年読売新聞の記事を元に加筆。