非常食の缶詰が飢餓救済に-パンのアキモト「救缶鳥プロジェクト」
東日本大震災が発生した2011年3月11日、東京都心では300万人以上が帰宅困難な状態に陥ったと言われています。遠くない将来起こるであろう都市部を襲う大地震に備えて、非常食の準備、食料備蓄の動きが盛んになっています。
私は、“非常食”と言われて一番に連想するのは「カンパン(=乾パン)」です。
子どもの頃、家に備蓄してあったカンパンを食べた記憶はあるのですが「美味しかった」かと言われると・・・。おそらく、賞味期限が切れていたため、残念な味に感じたかもしれません。
非常食として鉄板(テッパン)な「カンパン」ですが、毎日食べ続けられるか・・・。
そんな「カンパン(=乾パン)」ではなく、『缶パン』はご存知ですか?
防災用の食料備蓄に適した「缶パン」
Wikipediaでは「保存パン」という項で、缶詰やレトルトパックなどに収められたパンとして紹介されています。(※乾パンと同じ読み方で、混同されてしまうからなのか「缶パン」という言葉はあまり使われていませんが、私は覚えやすくて気に入っているので、ここでは「缶パン」と呼ばせていただきます。)
「缶パン」は特殊な製法で、ふっくらでやわらかな状態のパンが缶詰に入っていて、常温で長期間保存が可能で防災用に適しています。
ですが、防災用の備蓄管理は難しいもので、何を、どれくらい持っていればいいのか、保管場所の確保など、課題は少なくありません。特に、食品の場合は賞味期限がやっかいですよね。非常食で購入したはいいけど、賞味期限切れで一口も食べずに廃棄することも。
そこでご提案です。会社や学校、ご家庭での備蓄非常食の候補に、パンのアキモト「救缶鳥(きゅうかんちょう)」はいかがでしょうか?
パンのアキモト「救缶鳥プロジェクト」-非常食が世界の飢餓救済に
パンのアキモトの「救缶鳥プロジェクト」とは、非常食を備えることで、世界の飢餓救済の活動に参加できるプロジェクトです。
長期保存が可能な「缶パン」の中には、賞味期限が5年以上の商品もありますが、パンのアキモトの「救缶鳥」の賞味期限は3年間です。
2年間、非常食として備蓄された後、残りの賞味期限(約1年間)は、義援物資として日本中から回収・輸送され、飢餓に苦しむ国々へ届けられる仕組みになっています。
※パンのアキモトが賞味期限を3年にしている理由
Q.なぜ賞味期限は最長37ケ月なのですか?
A.日本の食品缶メーカーの保証が概ね3年なのです。よって、缶容器以上に長い保証をすることはできません。(引用:よくある質問 | 株式会社パン・アキモト)
また、缶パンを届ける先の国はほとんどが、内戦や紛争などが原因で治安が悪く、現地に届くまでに時間がかかるそうです。だから、1年と長めに賞味期限を確保しているんですね。パンを食べ終わった「救缶鳥」の空缶は食器としても利用されているそうです。
非常食としての役割を2年で終えたパンの缶詰「救缶鳥」は、賞味期限の残り1年間を、飢餓に苦しむ人を救うための食料として役立てられるんですね。
会社や学校はもちろん、ご家庭でも
この「救缶鳥」、一度食べたことがあるんですが、缶詰に入っているパンとは思えないほど、おいしいです!味のバリエーションもあって、普段食べているパンと変わりません。そんなパンを長期間保存するため、防腐剤を使わない製法で作られています。そのためか、類似品と比べると割高に感じるかも。ですが、緊急時に安心して食べられる備蓄品に対する正当な対価だと思えば。
それでも「お値段がちょっと….」という方、職場の親戚同士で声かけあって、共同購入してみてはいかがですか?
帰宅困難時の食糧備蓄は「0.7食分」
東日本大震災時の時と同様に、東京都心で再び帰宅困難な状況が発生した場合、非常食の備蓄が足りなくなると読売新聞が報じています。
東京都では、鉄道や幹線道路の復旧状況から、計約448万人の帰宅困難者を4日以内に解消する想定だが、都や区市町村の備蓄だけでは計約318万食で、1人当たり「0.7食」分にしかならない計算だ。都では「民間の協力がなければ対応は困難」としており、各自治体も条例で企業に社員向けの非常食備蓄を求めるなどの動きが出ている。(引用:「首都直下地震…帰宅困難者の非常食足りない!」読売新聞 2011年9月7日)
あの日、自宅に帰れなかった方は、思い出してみてください。立ち寄ったコンビニやスーパーでは、棚という棚からすべての食料品がなくなりました。翌日、いくつかの飲食店は材料を調達できず、営業を停止していたところも。帰宅できないことはもちろん、食料を調達することすら難しくなります。
備蓄食料は、家族や社員を守るために必要なものです。私たちの命を救ってくれる食料だからこそ、安心して食べられるものを選びたい。そして、防災用の備蓄品として出番がなかったとしても、「救缶鳥」は飢餓で苦しむ人々を助けるために活躍してくれます。
非常食としてまとめて注文・購入(みんなで共同購入も)
贈答用にもいかがですか?
防災用備蓄は、出番がないことが一番望ましいことですが、もし備蓄品としての役割を終えた後も、誰かを助けるために活躍してくれたら、嬉しいですよね。
「パンの缶詰」が生まれた物語が一冊の本に
「パンの缶詰」の本が2017年10月に出版されました。阪神大震災の被災者の声から生まれ、何度もトラブルに見舞われても諦めなかったいた様子が丁寧に書かれた一冊です。