夏休みの自由研究に児童労働が学べるオススメの11冊
「自由研究、何しよう・・・」とお悩みのみなさん!
読書感想文で「児童労働」をテーマにしてみませんか?
世界にさまざまある問題の中でも「児童労働」の問題は、小学生にとっては「同じ年頃の子どもたちが働いている」という事実に、感情移入しやすく、決して他人事ではないと身近な課題として考えやすいと思います。そこで、小学生でも「児童労働」について学べるオススメの本をご紹介します!!
わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて。
「児童労働」について分かりやすく解説した児童労働の入門書的な一冊です。実際に働いている子どものケースから、問題の原因や児童労働の危険性について、理解しやすくなっています。ただ、児童労働の現状を知るだけではなく、児童労働になくすための取り組み、私たちにできることについても書かれています。(※中学生向けに書かれているため、小学校の低学年には少し難しい内容かもしれません。)
そのこ(詩・谷川俊太郎 絵・塚本やすし)
詩人・谷川俊太郎さんが書かれた詩です。
“そのこはとおくにいる そのこはぼくのともだちじゃない でもぼくはしっている"
というフレーズではじまり、「そのこ」のことを思い浮かべる「ぼく」の気持ちがつづられ、最後は「そのこのみらいのためになにができるか だれかぼくにおしえてほしい」で終わります。「児童労働」とはどういうものなのか、考えるきっかけに最適です。
(※第二版から絵本後半に英語訳も掲載されています)
チョコレートと青い空
小学4・5・6年生向きで、ジャンルは「児童文学」に分類されています。東北のとある農家に、アフリカのガーナから研修生としてやってきたエリックさんからチョコレートのほんとうの味を教わる物語です。ガーナとは、チョコレートとはどういうものか、とても分かりやすく、かつ読みやすい本です。
ふたり★おなじ星のうえで
インドのコットン生産地での児童労働をテーマにした写真と絵のコラボ本です。絵本「そのこ」と同じく、絵は塚本やすしさんが担当され、写真家・谷本美加さんが撮影されたインドの写真と見比べるページ割になっています。後半は、インドで生産されたコットンがどのように日本のわたしたちの手元に届くのかが解説されています。遠いと思いがちな外国を、より身近に感じられる一冊です。
このTシャツは児童労働で作られました。
どストレートなタイトルですが、ノルウェーの作家、シモン・ストランゲルさんが書かれた物語です。バングラデシュとノルウェーの二人の少女が、一枚のTシャツでつながっていた。物語は少女の恋愛模様が描かれ、物語としても読みやすく、「安くモノが買える」とはどういうことか、私たちの生活にあり方について考えさせられる一冊です。
(※シリーズものとして『ドコカ行き難民ボート。』と『地球から子どもたちが消える。』も出版され、1作目の主人公エミーリエのその後が描かれています)
まんがで学ぶ開発教育 世界と地球の困った現実
飢餓や貧困、環境破壊をテーマ、世界の子どもたちの現状と問題について漫画で学べる一冊です。子どもたちが働かなくてはならない原因と、貧困はとても密接に関わってくる課題です。そんな貧困について、漫画で分り易く解説してくれます。
世界がもし100人の村だったら 4 子ども編
あの説明が不要とも言える本「世界がもし100人の村だったら」の子どもに関する統計を元に編集された第四弾です。統計から世界の子どもたちの現状と、わたしたちの暮らしとのつながりを考えることができます。
100円からできる国際協力〈5〉差別から守る
学校の図書館に「100円でできる国際協力」シリーズとして蔵書されています。小学生にも国際協力を身近に感じてもらえるように「○○円で○○ができる」というテーマでまとめられたシリーズです。写真と、解説で構成され、第四弾の「子どもたちを守る」では、予防接種や人身売買、児童労働、ストリートチルドレンなどが紹介されています。
学校に行けないはたらく子どもたち〈1〉アフリカ
120を超える国を訪ね、子どもの姿を写してきた田沼武能さんによる写真シリーズ。第7回学校図書館出版賞受賞。アフリカ、アジア・オセアニア、中南米、中東・北アフリカと、地域別に4冊あります。関心を持った国・地域をよりイメージするために使ってみてはいかがでしょうか。
ああ神さま、わたしノスリだったらよかった
暑さにうだる収穫の季節。ちいさな女の子は、お兄ちゃんとお父さんといっしょに、夜明けから夕暮れまでひたすら綿をとり入れていく。。。1968年にアメリカで初版が出版された絵本で、著者の子ども時代の記憶に基づくお話です。アメリカはもちろんヨーロッパ諸国や日本、いまは先進国と呼ばれる国々も、児童労働があったことを感じさせます。
地球の声がきこえる 生物多様性の危機をさけぶ動物たち
少し番外編です。「環境」と「動物」と、一見すると児童労働と関係がないように見えますが、「日本の昆虫ブームが児童労働と環境破壊を生む」という章が存在します。
実は、児童労働はチョコレートやTシャツの原料となるカカオやコットン、携帯電話の材料として使われるレアメタルの採掘現場、コーヒーやサトウキビなどの生産地だけでなく、カブトムシを採るために児童労働が行われていることが報告されています。
小学校で児童労働について説明するとき「カブトムシにも児童労働があるんだよ」と言うと「えっ!? カブトムシに?」と驚かれます。なぜ「カブトムシ」に児童労働があるのか、気になる方はぜひチェックしてみてください♪
実は、児童労働について書かれた本は意外とたくさんありますね。ひと昔前まで、国際協力や国際的な課題は、研究者の調査報告や専門的な書籍が中心でしたが、最近は写真で説明するビジュアルブックや物語、絵本など、子ども向けに分かりやすく書かれた書籍も多く、小学生でもわかりやすい本が増えています。
「夏休みの宿題、どうしよう~」という方は、ぜひ、世界の子どもたちのこと、児童労働について、調べてみてはいかがでしょうか?