「野宿者・・・社会的排除を考える」

 「若者勉強会実行委員会」による全3回の勉強会の第一回目が台東区民会館にて開催された。「若者勉強会実行委員会」は、毎月第3日曜日に隅田川沿いの公園で行われている、野宿者生活者の為の“隅田川医療相談会”に参加している学生や支援者たちにより構成されている。


 第一回目は『野宿者問題の概要』。憲法において保障されているはずの最低限の生活が遅れない人々が今、日本にはたくさんいる。イギリスやフランスなどには野宿者は500名ほどいるといわれているが、日本では約3万人といわれている。

 前半部分では野宿者問題の概要を、統計を出しながら解説。全国には25,296人のホームレスがいるという報告がある。

 ホームレスの多い都道府県を見てみると「一位:大阪(7,757人)」「二位:東京(6,361人)」「三位:愛知(2,121人)」となっている。

 しかし、あくまでもこれは少なく見積もっての数である。調査は昼間に行われており、昼間図書館などで過ごしている人がいたり、行政が調べた数と支援団体が数えた数にバラつきがあるため、確かな数とはいえない。

 路上生活までのいきさつとしては、「仕事が減った」「倒産・失業」が全体の7割をしめている。業種としては「建築」「製造業」が多い。

 後半は、実際に支援活動をされている2名の講演。

 日本国憲法では「最低限の生活の保障」がうたわれているが、「住所がない」などの理由だけで役所では生活保護の申請も受け付けようとしないという現状が報告された。

 今回の講演会では主に「野宿をせざるをえない理由」として、3点について論じられた。

・仕事がない(雇用主=企業の問題)
・社会保障制度の貧困(福祉の貧困)
・排他的な地域社会

 時間的な制約もあったため、踏み入った話までにはいたらなかった。だが、講演の節々で一つの言葉が叫ばれ続けていた。「野宿者をただ支援するだけではいけない」っと。

 講演者の言葉には「自助努力」「人権」「援助だけではなく協働を」といったキーワードが隠されているように感じた。野宿者問題は日本国外の貧困問題にも通ずるものがあるのではないだろうか。しかし、憲法や法律の問題、福祉制度や民族的価値観の問題など、解決への道のりはまだまだ険しそうである。

 次回は来年の1月15日(日)に「医療・福祉」をテーマに再び開催される予定である。

 ふぅぅぅ。ちょっと新聞記事っぽくしてみました。今回の勉強会は桜美林大学の知り合いに紹介されていってきました。会場は浅草雷門、浅草寺のすぐ近くです。

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