花火

今日は立川で花火大会があった。でも行かなかった。一人でいくなんて寂しすぎるから。

毎年、立川の花火大会と同じ日に隅田川で花火大会が催されている。今年もテレビ東京で生中継されていた。立川は5000発で立川周辺のケーブルテレビ「マイテレビ」で淡々と中継される。一方隅田川の花火大会は20000発で豪華ゲストと30台のカメラで完全中継。スケールが違う。だが、私にとって花火大会と言えば立川の花火なのである。

私は愛知県、名古屋で生を受けた。出生地は愛知県なのである。物心つく前に東京は中野に引越し、幼少時代をすごした。中野といっても電車が通ってない僻地にあった。小学校5年生のときにとある事情で立川に移住した。高校野球大会でいうと、東東京から西東京に移ったということになる。

中野と立川。ほぼ同じ期間すごしたのだが、どちらかというと私は“多摩っ子”のようだ。“江戸っ子”ではなく“多摩っ子”である。何かと都心に出て行くことを面倒くさがり、多摩を愛する。それでいて粋な性分は江戸っ子のそれより上をいくのが“多摩っ子”だと私は思う。

つまり、「男はつらいよ」の寅さん風に言わせてもらうと、

「生まれは愛知の名古屋、江戸と多摩で育ったフウテンのヤスとはオレのことよ」

今日もスクリーン越しに見る墨田川の花火より、家の窓ガラスが揺れるほどの立川の花火に酔いしれていた。