NGOが支援する理由-救援活動 緊急報告会
3月26日、被災地で支援活動を行っているNGO、
シャプラニールの緊急報告会に参加してきました。
茨城県北茨城市と福島県いわき市で支援活動を行ってきた職員から
メディアでは取り上げられない被災地の様子、
支援の現状と今後の課題についてご報告いただきました。
定員50名でしたが、それ以上参加してたのかな?
すごい人数で、二時間の報告会のち
約1時間が質疑応答の時間にあてられるぐらい。
報告内容や質疑応答の内容と、
私が聞いて感じたことなどを織り交ぜつつ、ご報告させていただきます。
取り残された人たちを支援(茨城県:北茨木市⇒福島県:いわき市)
バングラデシュやネパールでのサイクロン被害の
災害支援の経験がある国際協力NGO、シャプラニール。
東日本震災に対する支援実施を決めたのは、
被害が大きかった宮城と岩手へ支援が入り始めた17日前後。
被害が大きいところに支援が集まっていたが、
今回は被害がとても広く、支援を必要としている人がたくさんいる。
海外でも理念としている「取り残されている人たちの支援」として
茨城県北茨城市と福島県いわき市で支援活動を決められたそうです。
支援物資は集まっているけど、毛細血管まで行き渡っていない
シャプラニールさんを受け入れ講演会を開いたことがある
「茨城NPOセンター・コモンズ」から「ウィラブ北茨城」と「うつくしまNPOネットワーク」を
紹介してもらい、救援物資を作成、養護施設や福祉事業所などへ届けてきた。
避難所にいる人は、20日前後をピークに徐々に減り、
比較的被害の少なかった人は自宅へ戻り始めているそうです。
その一方で、必要な支援物資が行き届きにくい状況にあるそうです。
自治体に物資は届きつつあり、充分にたりているそうですが、
それを各避難所へ振り分けが大変らしいです。
支援物資は平等に配る必要があり、細かなニーズに応えられない。
燃料が手に入らず、届けにいけない。
(「毛細血管の末端まで行き届いていない」とのこと)
それに、どこに被災者がいるかわからない。
避難所から人が減り始めているので、
一昨日、欲しいと言われたモノを持ってきたけど、
その人がいない、っということもあるそうです。
「補聴器用の特殊な電池が欲しい」など、
細かなニーズに対応しきれていない状態らしい。
三重苦、風評被害
被災地では、県外の親戚や友人を頼って出ている人もいるが・・・・。
いくらつながりのある人と言えど、長期滞在は気を使うし、
地元の様子が気になり、戻りたいという気持ちもある。
県外に避難したいけど、「いわき市」ということを伝えると、
原発のことを気にして受け入れを断られるそうだ。
他に移りたくても移れない現状もあるようです。
「地震」、「津波」、「原発の風評被害」と三重苦になっている。
社会福祉協議会・自治体が被災-
徐々に被災地域の市役所へ、ボランティアの人たちが集まりつつあるそうです。
でも、県外からのボランティアはまだ。
土地勘のない人が参加することのデメリットもあるし、
受け入れをコーディネートする体制や余裕がないそうです。
従来、緊急時の対策には被災地域の社会福祉協議会が取りまとめ、
地元のNPOが支援して、コーディネートしていくものですが、
彼ら自身が被災して、機能が麻痺しているそうです。
誰がリーダーシップを取るのか「横の連携」-東日本大震災支援全国ネットワーク
メディアでも盛んに国や自治体などが「リーダーシップ」をとるべきとか報道されているが、
誰がコーディネートするかが問題ではなく、どう連携を取り合っていくかが大事。
シャプラニールやACEも参加する国際協力NGOセンター(JANIC)や
日本NPOセンターなどが連絡を取り合って、
『東日本大震災支援全国ネットワーク』を立ち上げたそうです。
緊急支援や復興のために連携を取り合い、議論して、情報交換をしている。
今後必要なこと
水道、流通、原発問題解決、買い占めをなくす、復興支援などなど。
課題はまだまだたくさんある。
支援物資は届いているが、それが必要な人にわたっているかは別。
NGOは、大きくモノを動かすことができるわけではないけど、
支援の隙間を埋めて、取り残された人へ支援を届けていくためにも、
刻々と変化する状況を踏まえ、
支援が手薄になっているところを補強する役割に徹するのが、
シャプラニールの姿勢のようです。
ひとりひとりにできること
報告会を聞きにいって、とても多くの方が今回の震災に関心を持ち、
支援のために一人ひとりにできることを考えていることを強く感じました。
同時に、瞬発的な寄付意識の高まりだけでなく、
中長期的かつ継続的な支援を呼びかけていくことも大切だと気づきました。
残念ながら、わたしたちACEには、
緊急支援の経験や実施する体力などはありません。
でも、『遊ぶ、学ぶ、笑う。そんな"あたりまえ"を世界の子どもに。』を
キャッチフレーズをかかげ、活動している私たちにできることも、あるはず。
今後の復興のために、何が必要で、何ができるか、
情報を集め、連携して、"世界=すべて"の子どもたちを支援していきたいと思います。