ミッションコンプリート
Jeffrey Leventhal | Photography |
昨晩、BOSSからミッションを言い渡された。
「渋谷でターゲットに接触せよ」
BOSSから任務を言い渡される場合、詳細の説明が少ないほど任務の重要度が高いという傾向がある。今回はまったくといっていい程情報が少ない。今までにない重要な任務なのであろう。
相棒の○藤○太と高尾の外国人部隊からヘッドハンティングしてきた凄腕の用心棒を引き連れ夜の渋谷へと赴いた。
八月の終わり、「CAST」のミーティング帰りに新宿でとある写真展を覗いてきた。「MIXI」のマイミクシィの『しろっきぃ』さんから教えてもらった「児童労働の写真展」である。
その写真展で、その主催者(=撮影者)と偶然話しができる機会を得た。そして、大学祭のために写真を探していることを伝えると
「よかったらボクの写真つかわないかい?」
っと、話が展開していった。大学祭で児童労働のことを展示発表すること、写真をもちいて児童労働の現状を伝えるなどの趣旨は理解してくれたようだったが、難問にぶち当たった。
その写真展の主はアメリカ人であった。しかも、中途半端(失礼!)に日本語が理解できるため、一生懸命日本語でわかりやすく説明してくれるのだが、それが逆に混乱を招いた。写真展の会場で自分を含め日本人学生4人がいたのだが、彼の言葉を完全に理解できず、さらにこちらもわかりやすい英語で会話を試みたが玉砕。お互いの意思疎通が出来ずに解散と相成った。
幸い、彼の奥さんは日本人で、後日日本語で連絡を取ることに成功した。再び会える約束を交わし、今度は『英語ができる友達をつれてきてくださいね(笑)』という返事が返ってきた。
そこで、CASTは英語のできる人材を探した。いまさらメンバーが英語を勉強してもたかが知れている。誰か、英語が話せる人はいないのか!?
数日後、CASTは一人の用心棒を雇い入れることに成功した。拓殖大学の国際ビジネス学科で学ぶ中国人留学生であった。外国人部隊からCAST独立愚連隊への編入というのは初めてのことで、まったくの未知なる領域であった。だが、我々には彼の実力を判断する時間もなかった。
大学の授業が終わり次第、彼を連れ出し渋谷ハチ公前へ直行。国籍はアメリカらしいが、どこかアジアっぽい、どちらかというとスペイン系の顔立ちをしたターゲットに無事接触することに成功した。
落ち着いて話ができそうなカフェ、いやイギリス式のパブ(PUB)のような店でCAST史上初の英語での作戦が決行された。
1時間半後・・・・。頭はパンクしていた・・・・。とりあえず、写真を貸してもらえることにはなった。だが、実質写真の貸し出しに関しては15分程度しか話をしなかった。いつの間にか違う話を英語で受け答えしていた。
ベトナムやカンボジア付近では麻薬密売が問題になっているだとか、アメリカでは大学院を卒業しなければ企業の最低ボーダーラインに達しないとか、奥さんとはバックパッカー仲間だったとか、ビジネスの勉強をしていたがいつの間にかカメラマンの道に進んでいた話などを英語で1時間ほど聞かされていた。
日本人二人、ポカンっと口を開けて眺めている中、通訳として雇った用心棒はターゲットとの会話を楽しんでいるようだった。改めて自分のふがいなさを実感。しかし、このような英語での商談(会談)をする機会なんて、普通の大学生活をしていたらめぐり合うことはなかっただろう。改めてこのような充実した大学生活を支えてくれた人たちに感謝。
会談後、相棒と二人で今回のミッションを振り返ってみた。その場所が『ドトール』だったため、今回の会談は『ドトール会談』と名づけられることとなった。
以上、『エージェントMESSY』の報告、終わり。