iPodと児童労働

元国際労働機関(ILO)の労働者活動担当上級専門家で、参議院議員の石橋みちひろさんがブログで「iPodと児童労働」という記事を掲載されています。

アップルが発表した「サプライヤーに関する年次報告書(Annual Supplier Responsibility Report)」によると、iPodやiPhoneを製造している3つの工場で、当該国の法律が定めた就業の最低年齢(=16歳)に満たない15歳の子どもが11人、働いていたことが見つかったということです。アップルは「どこの国のどの工場」というのを特定していないようですが、記事では「中国ではないか?」と匂わせるような書き方がされていますね。

iPodと児童労働 – 石橋みちひろのブログ

Macユーザーである石橋さんも注目のニュースのようです。石橋さんは、元ネタの記事もご覧になって、重要なポイントをもう1つあげていただいています。

それは、「サプライヤーの製造工場における労働環境チェックをしているのは、アップル社だけだ」と現地のサプライヤーが発言している、という点です。つまり、中国で同種の製品を生産している他のブランド(米国籍に限らない)は、児童労働のチェックや、労働コンプライアンスのチェックを行っていないのではないか、という疑問が投げかけられているわけです。
私は、少なくともスポーツ衣料やシューズの分野では、アディダス社やナイキ社など、コンプライアンスに非常に力を入れて努力している多国籍企業を知っています(特にナイキは過去に痛い目にあったので・・・)。だからこの記事が言及するのは、コンピューター・ハードウェアー系の企業における話なのではないかと思いますが、それにしてもこの話が本当だとすると、由々しき事態ですね。

自身のブランドの生産工場の労働環境をチェックする体制を整えている企業が少ないことを示唆しているわけですね。

CSR(企業の社会的責任)の観点で企業は、製品の製造工程における労働者の環境や原料の調達プロセスを注視する必要があります。同時に、私たちも製品を選ぶ際に気を付けなければならない視点でもあります。